おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

谷尻誠著「CHANGE」

 本書は、建築家、起業家である著者が自身の仕事観についてまとめたものだ。浅学にして知らなかったのだが、wikipediaによると著者は建築で様々な賞をとってこられた方で、その道では有名な人のようだ。wikipediaに載っていてへぇ〜と思ったのだが、映画「未来のミライ」では、主人公の自宅を設計を担当したとのことだった。

 本書では、様々なキーフレーズを軸にそれらについての説明が展開され、著者の仕事に対する考え方や想いがつまびらかにされていく。建築に直接関係のない分野で働いている人にとっても、含蓄のある考え方が豊富にあると思う。例えば第1章の項目を引用してみると、以下の通りだ。

第1章 今の仕事、楽しいですか?
1 「働く」とは傍をラクにすること
2 「漂流グセ」を付ければ、仕事はもっと楽しくなる
3 仕事の不安は仕事で解消。頼られて伸びるタイプになる
4 「違和感」を大切にする。仕事が好きになるナイス・ミスマッチ
5 「なぜ」を3回繰り返すと、悩みの本質が見えてくる
6 分析グセを付けると脳がクリアになる。過去の自分に感謝!
7 仕事を楽しくするのは「知識」よりも「執着できる能力」
8「マインド設定」という特効薬。自分の中にアプリを入れておく
(本書p10より引用)

といった感じだ。

 どこかで聞いたような話がないわけではないが、全体的には非常に面白い話が多い。読むことで自分の仕事の仕方を省みるようなきっかけになるパートが多いと感じた。

 個人的に特に気になったのは、第2章の途中で述べられていた会議のあり方、会議での努め方について述べられている部分だった。以前このブログで、佐藤可士和の打ち合わせという本を取り上げたが、谷尻さんも会議(打ち合わせ)に流儀がある、というところは面白いなと感じた。勝手な想像だが、佐藤さんにしても、谷尻さんにしても、クライアントの要望について、がっつり向き合いながら何かを作る、という意味で似た側面のある仕事の人だから、重要だと思うポイントが同じになったのだろうか。

 ただ職業や職位によって程度の差はあるにしても、クライアントがいる、というのはどういう仕事でも基本であるはずで、そういう意味では、どんな人も会議や打ち合わせをもっと大切にするべき、というのは、言えるのではないのかなとも思った。