おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

生産性の向上

林總著「成果が出ないのは、あなたが昔の「燃費の悪いアメ車」な働き方をしているからだ」

本書はドラッカーの考え方についての入門書という本だ。架空の病院の経営を題材に、知的労働者の生産性、営利組織と非営利組織の共通点といったポイントが解説されている。病院は患者のために医療を提供するべき場所で赤字であっても仕方がない、儲けを第一…

レオ・バボータ著、有田春翻訳「減らす技術」

ビジネス書レビューを行う自分にとって、生産性に関する本というのは、どれも似たり寄ったりになってくる。様々なハックが紹介されていても、どこかで読んだなあという印象を拭えない。しかし、本書は多くの生産性の向上を語る本の中で、少し変わった、しか…

安宅和人著「シン・ニホン」

今更感があるけど、本書を一冊通して読んだ事がまだなかった。最近ブログ用にどういう本を読もうか悩んでいたので、何もせず時間を無駄にするくらいなら、ということで本書を改めて読んでみた。本書「シン・ニホン」は、2020年に発売された本だが、本書の内…

佐藤可士和著「佐藤可士和の打ち合わせ」

佐藤可士和さんというと、広告が専門でない自分でも、テレビなどでその名前を聞いたことのある有名人だ。一応、wikipediaで佐藤さんについて調べてみると、これまでにユニクロ、楽天のロゴや、SMAPのCDジャケットなどをはじめとして、他にも有名企業やテレビ…

伊庭正康著「トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている」

ザ・ビジネス書といったタイトルの本だ。当ブログを始めて、なるべく好き嫌いなく、ビジネス書を手にとって読んでみるようにしているのだが、まだこういうタイトルの本には少し抵抗を感じる。一方で、こうしたタイトルの本でも、読んでみると何かしら学びに…

デービット・アトキンソン著「日本人の勝算」

本のタイトルだけ見ると、少し品性の劣った、あまり読むべきでない本の仲間にもみえるが、本書はそういった本ではなく、経済学的な視点の本で学びの多いものだった。本書の著者は、有名な銀行で戦略の立案や分析を行っていたそうで、本書にもそうした経歴が…

日経トップリーダー、日経ビックデータ編「AIが同僚」

AIをテーマにしたビジネス書はいくつもあると思う。AIというテーマに限った話ではないが、知りたいトピックがあるときは、いくつかの本や記事をまたがって読んで、その過程で自分なりの考えを作っていくことが重要だろう。特にAIのような新しく出てきた分野…

川原慎也著「今度こそ実践できる!最強のPDCA」

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字に由来したもので、業務の改善を行うためのフレームワークとして有名だ。PDCAを解説したビジネス書はとても多いが、それだけ需要も多いということなのだろう。そして、PDCAサ…

フレデリック・W・テイラー著(有賀裕子訳)「科学的管理法」

せっかくビジネス書に興味を持ち始めてきたので、少しかためにみえる本も手にとってみようかと思って、こちらの本を手にとった。読んだ後に色々調べてみるまで知らなかったのだが、こちらの本はその分野の人は古典と呼ぶような非常に有名な本だったらしい。W…

谷藤賢一著「ぺヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力」

論理的思考、なぜなぜ分析、MECE、プログラミング的思考、フローチャート、イノベーション的思考、オズボーンのチェックリストなどの言葉は、企業勤めをしていれば、いくつか(もしくは全て)聞いたことがあると思う。これらの言葉の意味を正しく説明できる…

三木雄信著「孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」

本書で主張されていることは非常にわかりやすかった。ソフトバンクが短期間に非常に大きな成長を成し遂げられたのは、他とは少し違ったPDCAサイクルを回していたから、ということだ。何点かそういった他とは少し違う部分、というのが本書でふれられているの…

渡辺正裕著「10年後に食える仕事、食えない仕事」

先に読んだ「21世紀の新しい職業図鑑」と比べると、読み応えがあった。これは「21世紀の新しい職業図鑑」が内容的に劣っているというよりは、想定している読者や本のそもそものコンセプトの違いだろう。本書は、AIやデジタルテクノロジー、ロボティクスの進…

(株)OJTソリューションズ著「トヨタの段取り」

トヨタ自動車の改善活動というと非常に有名だ。ただ実のところ、自分は今までそういうところがまとまったものを詳しく読んだことがなかった。なので、こちらの本を手に取った。 この本ではトヨタの改善活動について、以下のような目次で書き進めている。 1. …

山崎将志著「残念な人の仕事の習慣」

当初本書はそこまで期待して手に取っていなかったのだが、読んでみると予想を超えて面白かった。題名になっている「残念な人」というのが、仕事のスキルのない人、とのことかと思っていたが、この本では「残念な人」というのを、「作業一つ一つはそつなくで…

チェット・リチャーズ著(原田勉訳・解説)「ウーダループ」

非常に面白い本だった。本書は、タイトルにもなっているウーダループ(OODAループ)についての本である。OODAループは、PDCAサイクルに変わる新しいフレームワークである。もともとOODAループは、アメリカの軍隊で開発されたそうだ。PCDAサイクルが、Plan(…

釘原直樹著「人はなぜ集団になると怠けるのか」

本書は「社会的手抜き」という現象について書かれた本である。集団行動をするとサボる人が出てくる、ということが、「社会的手抜き」と名付けられ、また60年以上にもわたって研究の歴史があるとは全く知らなかった。そのため、とても新鮮に本書を読めた。た…

佐宗邦威著「ひとりの妄想で未来は変わる」

本書を背表紙で見たとき、この本は、もっと妄想しようぜ!と、働いている人を鼓舞する本かと思った。でも読んでみると違った。確かにそういう面もあるんだけど、どちらかというと、働いている人が妄想しやすくなるような会社の仕組みづくり、実は面白い妄想…

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部訳)「デザイン思考の教科書」

本書ではハーバード・ビジネス・レビューにおいて、デザイン思考をテーマに書かれた論文のうち、読むべき10本と題されたものが集められている。10本の論文を読むことで、デザイン思考をどのように展開していくことができるか、デザイン思考を広めていく上で…

飯野謙次著「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」

どちらかというとケアレスミスをしてしまう方の人間だと思う。色々な忘れ物をしたり、メールなどで誤字脱字をしたり。なので、時間が十分にあるときは入念に確認をするよう心がけている。けれども、どうしても時間に余裕がなく急いでしまうときはミスが出や…

伊賀泰代著「生産性」

仕事の生産性を高めるというと、どうしてもコストの削減だったり、機械の導入による業務の効率化などを思い浮かべがちだ。確かにそれは一理あるんだけども、それだけでは、生産性を高めるということの一面しかみえていない。この本で著者は、その見落としが…