おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

伊庭正康著「トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている」

 ザ・ビジネス書といったタイトルの本だ。当ブログを始めて、なるべく好き嫌いなく、ビジネス書を手にとって読んでみるようにしているのだが、まだこういうタイトルの本には少し抵抗を感じる。一方で、こうしたタイトルの本でも、読んでみると何かしら学びになるようなことはやはりあって、タイトルでの好き嫌いは学びのチャンスを逃すことにつながる場合もある、ということが最近わかってきた。そういう様子で、本書も手にとってみた。

 本書は、仕事で良い成績を出す人が行なっている、フォロワーシップについて解説している。もともと、著者もフォロワーシップという感覚はあまりなく仕事に従事していたそうだ。日々与えられた仕事をそつなくこなす、といった感じの仕事ぶりだったらしい。そんななか、当時の上司さんには、「良い感じで仕事ができているんだから、もっときても良いよ」、と言われていたそうだ。ただ、当時の著者はこの言葉の意味が分からず、もやっとしながら、あまり仕事への取り組み方が変わることもなかったそうだ。そして転職や様々な仕事を経験したのちに、ある時、以前上司に言われたことというのは、「もし上司にもみえていないような問題があれば、それを教えてほしい」という意味だった、と気づいたそうだ。

 平たくいうと、日々、言われた仕事をこなしているだけでは評価はイマイチで、より良い業務をむしろ提案するようなことが必要だと著者はいう。勿論、そうした提案が受けいられるためには、前提条件をクリアする必要があり、本書ではそうした点にも言及している。

 上司も課題を抱えており、その課題を助けられるような部下になるのが大事、というのは、言われてみると当たり前だと思うのだが、日々仕事に一生懸命になっていると、見落としがちなことであるように感じた。要領の良い人というのはこういうところを落とさずに仕事をしているのだろうなとも思った。