おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

中谷充宏著「30代40代本気の転職 完全対策ガイド」

 自分自身の転職活動のときには、まず周りで転職活動を成功させていた人達に話を聞いてまわった。その中で、転職エージェントの良し悪しだとか、そもそも転職エージェントを使った方が良いのか、など情報収集を進めた。幸いにも自分の場合は、そこで聞いた話もかなり正しかったし、それに基づいて進めた転職活動もうまくいった方だと思う。しかし、ビジネス書レビューをはじめてから知ったのだが、世の中には転職エージェントや転職サイトの特徴や、タイプ別にオススメな職務経歴書の書き方が書かれている本があるようだ。身近に転職経験者がいない人には、そういった本が役立つだろうし、転職経験者が身近にいる人でも、人づてに聞いた話を補足するという意味で、一冊くらいそういう本をさらっと読んでおくのは為になるだろう。これからそういった転職関係のビジネス書も出来るだけ多く紹介していこうと思っているが、まず紹介するのは、本書「30代40代本気の転職 完全対策ガイド」だ。

 この本では特に30代、40代の転職志望者に向けて、どのような道筋で転職を行っていくのが良いか解説している。この解説の中には例えば、転職エージェント、転職サイトが多く紹介されているだけでなく、それぞれがどういった業種に強いか、などもまとめられている。例えば、日経キャリアネットは知名度ではマイナビ転職などに劣るが、募集されている仕事の数は日経キャリアネットの方が多いそうで、本書では転職サイト(エージェントとかではないもの)に関しては、まず日経キャリアネット、ついでindeedに登録しておけば良い、とオススメしている。また、インターネット上の仕事だけでなく、ハローワークなどとは別に、中高年者就職支援機関というのを設置している自治体もあるそうで、そういったものの存在は知らなかったので、勉強になった。

 本書では、こうした情報の他にも、効果的な職務経歴書の書き方や、ミドルの転職で想定される面接時の質問対策なども書かれていた。志望先と本人の技術がマッチしていることは前提だが、社会人として身につけるべきマナーなどから、そういった基本的な事以外で、他の志望者と差をつけていくようなコツというのも、参考になる部分だと思った。

 さらっと読める本なので、転職を真剣に考えている人は本書を一度読んでみて、転職戦略をしっかり練るのに役立てて欲しいと思った。