おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

フレデリック・W・テイラー著(有賀裕子訳)「科学的管理法」

 せっかくビジネス書に興味を持ち始めてきたので、少しかためにみえる本も手にとってみようかと思って、こちらの本を手にとった。読んだ後に色々調べてみるまで知らなかったのだが、こちらの本はその分野の人は古典と呼ぶような非常に有名な本だったらしい。Wikipediaにも本自体のページがあった。

ja.wikipedia.org

 正直なところ、Wikipediaのページがあるので、本の解説はそちらをみてもらった方が分かりやすいという気もするのだが、一応ざっくりと本の内容を紹介しておく。この本で著者は、現在の労働は科学的に管理されることなく、個々の労働者の裁量に任せることで進んでいると指摘する。そうした状況は、労働を改善する機会を逃し、管理する側にとっても、働く側にとってもそんな状況だと指摘する。これを改善するために労働を管理する側が、科学的な分析と、その結果に基づく指導を行うことが必要だと述べている。これを実現するために、例えば、うまくいっている労働者を観察することや、時間ごとにどういう作業をするか管理する側が決める、などなどである。

 本書を読んで、今では当たり前と思うようなことが100年以上前に考え出されていた、という事実に感心した。それと同時に、本書で生み出された働き方、働かせ方が生み出されてから100年経ったけど、そこからあんまり変われていないんだなという寂しさも感じた。もちろん、人が行う仕事の内容自体は100年前とは全く違ったものになっているのだけど。管理する人と働く人のconflictは、人類にとって大きな課題であるということか..。