おすすめビジネス書レビュー

仕事への向き合い方が変わる本を紹介します

武井一巳著「21世紀の新しい職業図鑑」

 色々な職業について解説した本というと、30歳以下の人は知らないかもしれないが、2003年ごろ「13歳のハローワーク」という本が話題になっていた。「13歳のハローワーク」と本書「21世紀の新しい職業図鑑」で紹介されている職業を比べてみると、ほとんど重ならない。それは本書がこれから成長していく職業をピックアップしたような本だから、というのもあるが、それだけ時代が変化したいうことでもあるだろう(本記事を書いた後で知ったが、13歳のハローワークにも続編が出ていて、これから成長する仕事を踏まえた本が出版されているそうだ)。

 本書は小学校くらいの年齢の低い人にも読まれることを想定しているためだと思うが、いろいろな職業が取り上げられているものの、それぞれの職業についての説明はそれほど深くない。そのため大人が読むと少し物足りない気もした。ただ、馴染みのない職業などもあったので、そういうものについては勉強になった。例えば本書では、様々な場面で微生物を調整するような仕事の需要が高まるのではないか、などと書かれていたが、そういったことは考えたことがなかったので、勉強になった。
 
 何かの職業に就くために現在勉強中の若者や、そういった子供がいる親世代の人が、職業について考える手軽な本という位置付けが良いのかなと思った。ただ、当然世の中全ての職業についてフォローするのは無理だし、本書はあくまでこれから成長していくような仕事に絞って解説しているということを忘れてはならないだろう。現在メジャーでこれからもメジャーな仕事もあるだろうし、この著者も全く予想していなかった職業がこれから数年でどんどん出てくる可能性もあるだろう。この辺りはもし子供と一緒に読むのなら、そのあたりは大人が補足してあげると親切だろう。