飯野謙次著「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」

 どちらかというとケアレスミスをしてしまう方の人間だと思う。色々な忘れ物をしたり、メールなどで誤字脱字をしたり。なので、時間が十分にあるときは入念に確認をするよう心がけている。けれども、どうしても時間に余裕がなく急いでしまうときはミスが出やすい。そういう自分なので、この本をみたときは自然に手が伸びた。
 当初は、「際立って優秀な人たちに共通の性格は何か」というようなことが、この本に書かれているのかと思っていたがそうではなかった。むしろ人の性格にかかわらず、ミスを減らす仕組みを考えて実行していくことが重要だという趣旨の本だった。著者は失敗学という領域で活動している人だけあって、失敗の原因を明らかにすること、同じ失敗が再び起きないようにするための仕組み作りの重要性を何度も説く。こうした内容の本にありがちな、日常の仕事とは離れた専門的な問題ばかりを扱っている、というようなことはなく、メールやちょっとした忘れ物、伝言のミスなど、日常の仕事でよくあるミスを減らすにはどうしたら良いか、ということが書かれていた。勿論、ミスを分析して改善策を作る、という考え方は他の様々なことにも応用できるだろう。
 個人的には一番の収穫は、仕事が早いこととミスが少ないことは両立しうることだと、考えを改めさせられたことだった。